
微熱に疼く慕情
第10章 【囚われない愛と持続的な関係】
「待って!」の声は一足遅かった
ガッと殴ってしまい先輩は吹き飛ばされていた
「自分が何してるかわかってるのか!」と胸ぐらを掴んで手を振りかざそうとしたからもう一度止めた
「大智!待って!隼人さんは悪くないから」
「え?だって、お前、コレ……」
「大智、テーブルの上に鍵があるから手枷外してくれない?」
「う、うん」
見るに見兼ねたのか、全部外してくれた後に
自分のパーカーを私に着せてきた
イキ過ぎて、吹き過ぎて足がガクガクしてる
ゆっくり先輩の方に歩み寄り、血の滲んだ口元に当たらないようキスをした
「私が隼人さんを怒らせちゃったんだ……だからお仕置きされてたの、大智もごめんね?巻き込んで、心配して来てくれたんでしょ?ありがとう」
「お仕置きって……度が過ぎてるぞ?」
「良いの、何をされても私、隼人さんを嫌いにならないから」
そう言ってギュッと抱き締める
「何だよ、来ても結局、邪魔者扱いかよ」って帰ろうとするから溜め息ついちゃうよ
何で男は皆、最後まで話を聞かないかなぁ……
私の周りはそんな男ばっかなんだね
先輩の後ろに回ってダイニングテーブルの脚を巻き込んで両手をクロスでカシャンと手枷を嵌めた
鍵はパーカーのポケットに仕舞う
「エヘヘ、次は隼人さんがお仕置きされる番だよ?」
「へ…!?」
「其処から見てて、本当に昨日、大智とはシてないの、でも勝手に早とちりで勘違いして、話を最後まで聞かなかった隼人さんに今から私がお仕置きするの」
ゆっくり大智の元へ行って、先輩の目の前でキス……
「おい、またこんな事したら逆上するんじゃねぇの?」って大智が戸惑ってる
じゃあ、教えてあげる
「隼人さん、3P出来なくなるのが嫌で別れたくないんだって……私を寝取らせたいみたい、しょうがないから今此処で見せてあげようかなって」
「お前……本当、悪女な?」
再び、私と大智の唇は重なる…………
