
微熱に疼く慕情
第10章 【囚われない愛と持続的な関係】
言葉なんかじゃ説明出来ない、追いつかない
でもふるいにかけたんだよ?
キミならどうするのかなって
これ以上増えても自分が回らなくなるだけなのに
欲しい、と思ってしまう
ダメなら諦めよう、それくらいの感覚だったのに
いつの間にか私からキスしてた
逃したくないって思ってた
甘い罠をいくつも仕掛けて堕ちるよう仕向けてる
終始無言でホテルの部屋まで辿り着いた
扉を閉めたら始まっちゃう
バックもその辺に投げ捨てて唇を重ねる
ドン…と彼を壁側に押し倒すの
絡ませ方でわかるでしょ…?
お腹に硬いの当たってるよ
Tシャツの中に手を忍ばせて乳首を弄る
両方したら目がトロンとなるね
「シャワー、後で良い?」
「はい」
「ん?」
「あっ……うん」
クスッと笑って再び重なる
私にも触ってこようとするから両腕は後ろでクロスさせて押さえるよ
「旺志郎くんって、射精、繰り返し出来る人?」
「えっ…?あぁ……よくわかんない、ていうか、セックスが久しぶりで」
「ふーん、いつぶり?」
「えっと、うっ……ハァハァ、引かないで欲しいんだけど、本当に学生の時付き合ってた人は1人だけで…」
「え、その人と?」
「うん、3年前に別れて……しかも別れる数ヶ月はヤってもなかったし」
「3年以上シてないの?」
「う、うん」
「はぁ……」
思わず溜息ついちゃった
待って、このビジュアルで3年も放置してたの?
「ごめん」と言われてハッとした
「違う、そういう溜息じゃなくて、何だろ、周りの女の子たちに感謝かな」
「え…?」
「それに旺志郎くんにも感謝……入院してた時の旺志郎くんしか知らないけど、一人前になるまでに勉強もたくさん頑張っただろうし生半可な気持ちじゃ出来ない職種だろうから、きっと言い寄られても避けてた時期あったんじゃない?」
