
微熱に疼く慕情
第9章 【歪んだ世界でも凛として…】
「私の片想い歴舐めないでください……まだ、にわかに信じられません」
「これから嫌でもわからせてやるよ、俺がどれだけ一華を大事に想ってるか」
「本当ですか…?全然足りてないですよ、私の明島さんを想う気持ちに追いついてないです」
「プロポーズしてもダメか、まぁ、時間はたっぷりある、身辺整理宜しくな?」
「それ……すぐしなくちゃダメ?」
「え…?」
「だって、私をこんな風にさせたの明島さんのせいでもあるじゃないですか……全てを捨てて明島さんの元へ行けるほど私、強くなれてないです」
「一華……」
「それに私、皆に全く気がないわけじゃないんです、最初はそのつもりだったけど……長年拗らせてたんで、明島さんへの想いに蓋をしてたんですよ、それなのに今更言われても」
「さっきの涙は嘘かよ」
「嘘じゃないです、戸惑いの方が大きかっただけで、長年の想いが報われたというか、安堵の涙です」
「信じられない?俺の事」
「……はい」
「ひでぇー」
「んふふ、これから信じます」
「うん、頼むよ」
そんなすぐに動かないよ
本気で痺れさせてよ
期待しないで待ってる
それくらいが丁度良い
また、あんな風にボロボロになるのは御免だもの
マンションに着いて、降りようとしたら腕を掴まれる
「俺以外に抱かれるのか?」
え…?どうしてそんな事
意地悪な質問……答えられないのわかってるくせに
見つめ合ったまま動けない私
「早くそうならないようにしてください」
なんて、生意気過ぎたかな
フッと笑って「また惚れさせたら良いんだな?」と引き寄せられ唇が重なる
「我儘でごめんなさい」
「この俺を振り回す女は一華だけだよ」
「言い方…」
散々振り回してきたのは明島さんだもん
当時からの私の気持ち、ちょっとは理解してね…なんて
