
微熱に疼く慕情
第6章 【耽溺していく欲情】
えいっ!と後ろからハグするよ
見えるようにメッセージ打つの
めっちゃ意地悪でしょ?
性格悪いよね、私……
平気で“大好き”とかハートマーク送っちゃうんだよ
チラッと黒崎さんを見たらこっち向いて
「気が済んだか?」って髪の毛クシャッてされちゃった
スマホ置いて「こっち向いてください」とお願いする
誂われてると思ったのか気怠そうに身体を向けてくる
顔を近付けて見つめ合うの
「俺の前でそんな事しちゃうんだ?俺を怒らせて楽しいの?」
あぁ……怒ってる顔もめちゃくちゃセクシー
ヤバい……惚れちゃう
「うん」って返事したらまた押し倒されちゃった
だって怒って欲しいんだもん
ピコン…とタイミング悪く先輩から返信が来た
見ようとした手を掴まれる
「見るの?この状況で?」
「いえ、電源……落とします」
それは許してくれるみたい
目は黒崎さんを見つめたまま、電源ボタンを押し続ける
スマホを取り上げられて鞄に突っ込みソファーの上に投げ捨てられた
再び押し倒されてる状況……
怒られている途中でした……
どうしよう………沈黙が長い…………
「黒崎さん………」
「なに?」
「あの、私……どうされちゃうんでしょう?」
「……どうして欲しいの?」
「えっと……もう怒ってなければ、キス…してください」
「……怒ってたら?」
「えぇ………怒ってても……キスしてください」
フッ…と鼻で笑われた
どのみちキスお強請りしてるんだもん
普通に笑ってよ
しょうがないヤツだなってトロトロになるまでキスして
「平気な顔して男騙してる小悪魔め……」
「でも、ちゃんと騙さなきゃ、こうして黒崎さんと会えなくなっちゃう」
「それは………困るな」
「ですよね?じゃあ、そんな小悪魔にキスしてください」
