
微熱に疼く慕情
第6章 【耽溺していく欲情】
言われた後でも更新してるだろうけど……
って、それは言えない
後回しにせず、ちゃんと言うべきなのに
気持ちが固まらない
とことん、ズルい自分が出てしまう
いっその事、嫌われたら良いのに…とまで思い始める
いや、先輩に嫌われちゃうのはちょっと耐え難いかな
仕事に支障出ちゃう気がする、お互いに
だから余計に、周りに知らせない方が良いの
「隼人さん……隼人さん……先輩、起きて」
「ん~~もう朝?マジか」
「朝、弱いんですね」
「一華に起こされるの待ってた」
「えぇ?全然起きないのワザとですか?」
「久しぶりに先輩呼びされちゃった」
「戻しましょうか?呼び方」
「いや!今のままでお願いします」
「クスッ……早く顔洗って支度してください」
「はーい」
「朝ご飯、出来てるんで」
「わぁ、女神……」
「大袈裟…」
歯磨きしたら必ず最初にキスしてくるところは
相変わらず可愛いんだけど
スーツ着たらいつもの仕事モードの先輩になるから
格好良くて困る
すぐに手放せなくてごめんなさい
このままの関係じゃダメかなぁ……
未来の約束されていない自由な関係……
まるでクズ男が考えるような思考してる
クズ女……あながち間違ってないと思います
朝はやっぱり停まってなかった
あの後すぐに帰ったんだと思う
電源をつけても連絡は入ってなかった
もしかしたら今日、入るかも知れない
「一華?どうしたの?ボーっとして」
「え?いえ、何でもないです」
ん?あれ?手繋いじゃうの?
え?え?
顔を見上げたら「駅までだから」って
そういうのも許して照れたフリも自然と出来ちゃう
我ながらぶっ壊れてるなぁ〜って思うよ
怖い、自分が
