
シャイニーストッキング
第7章 絡まるストッキング6 和哉と美冴2
63 ドライブ…
まだ少し蒸し暑いが、今夜の夜風は気持ち良い…
「あっ…」
わたしは和哉のアパートへと歩いて行く道すがら、視線にレンタカー屋が目に止まったのだ。
そしてある想いが浮かび上がった。
「うーん、そうだっ
和哉は運転免許証持ってるよねぇ…」
「もちろん持ってます…
帰省するとよくクルマに乗ってますよ」
そうなのである、和哉の実家のある北関東の地方都市ではクルマ無しでは生活できない、わたしもあの街に住んでいた時には毎日クルマに乗っていた…
「うん、そうかぁ…
明日って、何か予定あるの?」
わたしは唐突に訊ねる。
なんだろうか…
和哉はそんな不思議そうな顔をしながら
「いや、予定は無いですけど…」
と応えてきた。
よし、じゃあ、いいかも…
「ねえ、あのね、明日、レンタカー借りてドライブに行こうか…」
「えっ、ドライブって」
和哉は何ともいえないような複雑な、不思議な戸惑いの顔をしてくる。
それはそうである、今夜の二人のこの再会の流れから、突然、わたしからのドライブの誘いなど不思議以外の何物でもないはずでなのだ。
「うーんとね、正確には茨城県の北の方の街までクルマで行ってお墓参りがしたいのよ…」
そうなのである、本来は明後日辺りに、カフェバー『波道』オーナーのノリくんに最愛の男である『ゆうじ』のお墓参りに連れて行ってもらう予定であったのだが、ノリくんの身内に不幸があって急遽行けなくなった旨を夕方電話で聞いたのであった…
そしてわたしはその旨の内容を簡単に和哉に説明をする。
「最愛の人ですか…」
和哉は複雑な顔で訊いてきた。
「うん、詳しくは明日話すけどさ、最愛の男…」
「お墓参り…てことは亡くなってるんですか…」
「うん、そう、阪神大震災の犠牲になってね…
あ、彼は、和哉との次に付き合った人なのよ…」
と、一応、和哉も元彼の扱いに格上げしてあげる。
「そ、そうなんですか…」
「うん、高速道路を使えばゆっくり行っても2時間掛からない距離なんだけどさ、わたし、こっち来てから全くクルマの運転してなくって…」
ましてや電車では不便過ぎて無理なのである…
「いいですよ、予定も無いし、僕の運転で美冴さんとドライブなんて、夢のようだし…」
「またぁ、夢なんて大袈裟なぁ…」
まだ少し蒸し暑いが、今夜の夜風は気持ち良い…
「あっ…」
わたしは和哉のアパートへと歩いて行く道すがら、視線にレンタカー屋が目に止まったのだ。
そしてある想いが浮かび上がった。
「うーん、そうだっ
和哉は運転免許証持ってるよねぇ…」
「もちろん持ってます…
帰省するとよくクルマに乗ってますよ」
そうなのである、和哉の実家のある北関東の地方都市ではクルマ無しでは生活できない、わたしもあの街に住んでいた時には毎日クルマに乗っていた…
「うん、そうかぁ…
明日って、何か予定あるの?」
わたしは唐突に訊ねる。
なんだろうか…
和哉はそんな不思議そうな顔をしながら
「いや、予定は無いですけど…」
と応えてきた。
よし、じゃあ、いいかも…
「ねえ、あのね、明日、レンタカー借りてドライブに行こうか…」
「えっ、ドライブって」
和哉は何ともいえないような複雑な、不思議な戸惑いの顔をしてくる。
それはそうである、今夜の二人のこの再会の流れから、突然、わたしからのドライブの誘いなど不思議以外の何物でもないはずでなのだ。
「うーんとね、正確には茨城県の北の方の街までクルマで行ってお墓参りがしたいのよ…」
そうなのである、本来は明後日辺りに、カフェバー『波道』オーナーのノリくんに最愛の男である『ゆうじ』のお墓参りに連れて行ってもらう予定であったのだが、ノリくんの身内に不幸があって急遽行けなくなった旨を夕方電話で聞いたのであった…
そしてわたしはその旨の内容を簡単に和哉に説明をする。
「最愛の人ですか…」
和哉は複雑な顔で訊いてきた。
「うん、詳しくは明日話すけどさ、最愛の男…」
「お墓参り…てことは亡くなってるんですか…」
「うん、そう、阪神大震災の犠牲になってね…
あ、彼は、和哉との次に付き合った人なのよ…」
と、一応、和哉も元彼の扱いに格上げしてあげる。
「そ、そうなんですか…」
「うん、高速道路を使えばゆっくり行っても2時間掛からない距離なんだけどさ、わたし、こっち来てから全くクルマの運転してなくって…」
ましてや電車では不便過ぎて無理なのである…
「いいですよ、予定も無いし、僕の運転で美冴さんとドライブなんて、夢のようだし…」
「またぁ、夢なんて大袈裟なぁ…」
