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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 114 変わらぬ魅力

 きっと神様に弄ばれているのだ…

 そして僕は、1350万人の1の確率の宝くじを一発で引き当てたようなモノなのである。

「ふうぅ、なんだか驚いてしまって言葉が続かないわ…」

「は、はい…」
 それは僕も同じであった。

「じゃあ、明日7時にごはんでも食べようか…」

「は、はいっ」

 そして待ち合わせの場所を近くのコンビニにする。

「じゃ、明日ね、おやすみ…」

「は、はい、おやすみなさい…」
 僕は携帯電話を切って座っていたベッドサイドに置いた、そして横になる。
 力が何となく抜けていたのだ。

 そして
 
 ドキドキが止まらない…

「なんてことだ…」
 僕は美冴さんを探すという大義名分で、『駒澤大学』に入学し、たまたま地図で見掛けた『桜新町』という地名に惹かれて、この街にアパートを借りたのだ。
 いや、ただ借りただけであったのだ…

 それ以外は全く、何も考えてはいなかったのである。

 それなのに、目と鼻の先に住んでいたのに…

 だが、全く再会はしなかったのだ。
 
 でも、もしかしたらただ気付かなかっただけであって、偶然見掛けていたのかもしれないな…

 それ位に近所、目と鼻の先に四年間も住んでいたのである。
 しかもファミレスまでもが5分も掛からない場所にあったのだ。

 やはり、必然的なのだ…

 この突然の再会も、神様に導かれたのに違いない。
 
 そう核心していたのである…

「明日か…」

 いよいよである…

 やはり美冴さんは変わってはいなかった、いや、あの五年前と全く変わっていないと断言できる。

 それ位、若々しく、美しかった…

 いや、もっと綺麗だった…

 大人と若さ、両方の魅力を兼ね備えていたのだ…

 よし、明日だ…

 とりあえず明日中には、この五年間の不完全燃焼のモヤモヤが解消できるのである。






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