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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 41 蒼井美冴(21)

 逆に、松下さんのわたしに対する好意、興味さえ感じてきていて…

「あっ」
 わたしは思わず声を漏らしてしまう。

「……」

 それは…
「いや、ほらぁ、松下さんのバックボーンがさぁ、お姫さまそのものじゃん…」
 そう言って、誤魔化したのだが…

「……」
 ジッと、逸れずに見てくる松下さんの目が…
 さっきのわたしの、逡巡から、つい漏らした声を探るかの様に見つめてきてくる。

 そしてその目が、ゆっくりと下へと降り…
 わたしが触れている、松下さんの膝にあてがっている手を見つめてきた。

「……」
 
 やはり…
 わたしに対して見せてくる好意、そして興味は…
 この触れているストッキングーー

 そう、今、現在の二人の共通点は…
 彼、大原浩一常務という存在感と…
 このストッキングに対する魅惑的といえる美しさ、ううん、美意識。

 お互いに意識している筈であろう、このストッキングという存在への美意識ーー

 それは触れて感じるこの素材…
 昨日、対峙して感じた、松下さんのストッキング脚の美しさと艶やかさ…
 これは、このストッキングという存在に対して、美意識と自意識を持っている者の共通点、そして、わたしと松下さんとの共有という現れに違いない。

 この限りなく透明な艶やかさ、それを生む為の薄い素材…
 そしてそれは、外国産ブランドの高級品限定のストッキング。

 世の中の女性のほとんどにとってのストッキングとは…
 ただの靴下、防寒、仕事上に穿かなくてはならない義務…
 それらの存在感しかない。

 そして薄くて、脆く、破れ易い、そんなストッキングに、この高級ブランドを求め、高価を注ぎ込むオンナは…
『ストッキングラブ』なオンナという存在に他ならない。

 それがわたしであり…
「……」
 この目の前の松下さん。

 これが、二人の共通点、そして感じる…
 不思議なシンパシーという感覚ーー

 そう、そうに違いない…
 わたしは、昨日、初めて対峙した瞬間に、心が揺らぎ、蠢き、騒めいた想いがあった。

 そして共通するオトコ…
 大原浩一の性癖であり、わたしにとっては、亡きゆうじから受け繋ぎ、染み込ませてしまった、自身の象徴であり、美意識。

 そう、ストッキングなのかーー


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