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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 98 感じる違和感

 わたしは昨夜から和哉に対して、なんとなく違和感を感じていた。

 ちょうど年が明け、新年を迎えた時に、友達がバイトしていたファミレスで、わたしは働いていた和哉に一目惚れをし、その友達を介してわたし達は付き合いを始めたのだった。
 そしてちょうど付き合い始めてから四ヶ月の、確か三回か、四回目のセックスの時にわたしが感じていた和哉のストッキングフェチを追及し、そして彼がカミングアウトしたのだ。
 そのストッキングフェチという嗜好にわたしは違和感はなかった、なぜならばその和哉以前の高校生時代に付き合った当時五歳上の社会人だった元彼が、正にストッキングフェチであったからである。
 それにわたしは大好きな男の好きなモノには否定はしない派なのであった。
 だからそんな和哉のストッキングフェチに対しても違和感等はなく、却って趣味、嗜好が分かったから大歓迎であったのだ。

 ストッキングフェチなんて、ストッキングさえ穿いていれば悦ぶんだから、軽いモノよ…
 わたしはそう、軽く考えていたのである。

 そしてGWの連休中には、わたし達二人は和哉のアパートに転がり込む、短期同棲みたいなカタチをとり、ヤリまくったのだ。

 そしてその時に彼のストッキングフェチの嗜好を
  例えばどんなタイプのストッキングが好きなのか…

 どんな色のストッキングが好きなのか…

 そのストッキングを穿いて、どんなプレイが好きなのか…
 等をそれなりに把握したのであった。

 だが、そんなストッキングフェチなプレイを、セックスをしていると、

 時折和哉は

 何かを考えているような…

 何かを思い出しているような…

 そう、多分、まるでそのストッキングフェチになったきっかけの元彼女でも想い浮かべているような、上の空的な目を、顔を、表情を…
 それ等をしてくるのである。
 
 だが、わたしはなぜか、そんな上の空の和哉に対して、不思議と嫉妬心や怒りは湧いてはこないていたのだ。

 なぜならわたしの名前は『しんじつ』と書いて『真実(まみ)』と呼ぶのである、だからその名前の如くな現実主義者であるから…

 だから時折、和哉が思い出しているであろう昔の彼女が、一体いつの頃の存在なのかは知らないし、知りたくもなかったのである。





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