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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 97 女の勘

「あっ、っくうぅぅ…」
「うっ、んあぁぁぁ…」
 僕の一方的な昂ぶりにより愛し合い、同時に果てた。

「ふぅ、はぁ、ふうぅ…」
「あっ、うぅぅ…」
 僕は、絶頂感たっぷりの射精をしたのだが、まだなんとなく興奮醒めやらぬ感じであった。
 
「ふうぅぅ…」
 
「あぁ気持ちよかったわぁ、なんかぁ最近わたしは感度が上がった気がするのよねぇ…」
 と、真実が引き抜いた僕のコンドームをさり気なくチェックしているのに気付きながらも、彼女の指の動作に身を任せていた。

「さすがにぃ昨日の今日だからぁ、量は少ないわねぇ…」
 と、僕からコンドーム抜き、精子溜まりの部分を観察してそう呟いてきた。

「ああ、うん、そうなの…」
 
 やはり、なんとなくは気になるのか…

 だからといって、仮に真実が僕の浮気を疑っているという事ではないのはよくわかっているし、現実に浮気相手もいないし、そんな気持ちもない。
 僕はこの真実で十分に満足しているのだ。

 あっ…

 いや、違う。

 僕の中の美冴さんという存在を、真実は無意識に認識しているのか…

 いや、勘づいているのか…

 確かにその隠し持っている想いは、ある意味、心の浮気というか、カタチにはないモノなのではある。
 だからといって真実を蔑ろにした事も、つもりもないし、そして美冴さんの存在を話した事もない。

 女の直感、勘てヤツなのだろうか…

 僕の心の片隅にずっと住んでいる美冴さんの存在を、おぼろげながらも勘づいているのだろう。
 そしてそれは、僕が真実、彼女に対して想いを集中していない、という事の現れでもあるといえるのだ。

 やはりこのままではダメだ…

 早く自分の中で解決し、整理しなくてはいけない…

 ヘタすれば真実を失ってしまう事にも通じてしまうかもしれない…

 早く解決しなけれは…

 それには、きっと今日から三日間がポイントなんだと思う。

 なぜかそう感じて止まないのである…


「じゃあ、そろそろ行くよ…」
 そして身身仕度を整え、二人で駅に向かう。
 彼女は弁護士事務所から、乗り放題のタクシーチケットを支給されているので、駅前で先にタクシーに乗る。

「じゃあ、13日の夕方に電話するね…」

 そして僕は、真実と別れ、電車で帰省するフリの為にいちおう駅の改札口に向かうのだ…





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