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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 80 商店街での買い物

「ふうぅ、美味い」
 俺は美冴さんとリビングルームのソファーに座り、コーヒーを飲み、そう呟いた。

「普通にあのコーヒーメーカーてま煎れただけよ…」
 美冴さんはそう微笑みながら応える。

「いやぁ、その煎れてもらうって事が大切なんですよ」
「本当に調子いいんだから…
 それよりさ、コーヒー飲んだら出掛けようよ、買い物行こうよぉ…」
「えっ、美冴さんと二人で…ですか」
「当たり前じゃない、他に誰かいるのっ」
「あ、いや…」
 俺は、美冴さんと二人で買い物…
 このキーワードで舞い上がってしまったのだ。

「だってぇ、この家何にもないんだもん…
 それに、わたしの着替えもないしさ…」

「あっ、はい…」

 美冴さんの着替え…

 そういえばそうなのだ、初めての来宅だし、部屋着もないから美冴さんは、昨日着ていたブラウス一枚を羽織っているだけなのであった。

「わたしの着替えと、何か食材を買いに行こうよ…」
 美冴さんの着替えと、食材…

 うわぁ、まるで新婚カップル、いや、同棲カップルみたいだ…

 一気にテンションが高まってくる。

「あっ、何か今、邪な、怪しい事考えてるでしょう」
「え、あ、いや、そんな邪なんて…
 ただ、なんか同棲カップルみたいだなぁって…」
「ほうらぁ、邪じゃん」
「ええっ、同棲カップルが邪っすかぁ…」
「うん…よこしま、邪な考え…」
 美冴さんは微笑みながら呟いたのだ。

「だってぇ着替えもないしさぁ…
 ちょっとしたさぁ…」

 二人で買い物…
 願ってもないことで嬉しかったのである。

 そしてコーヒーを飲み終え、俺達はこのマンションからすぐの商店街に出掛けたのだ…






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