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　77　心の整理

　今朝…

　今、朝に抱かれて健太とわたしは心とカラダがひとつになった感じがしていた。

「健太ぁ…」
　わたしはそんな想いを自覚をし、感極まってしまい、唇を求めて顔を向ける。

「み、みさえさん…」
　そしておそらく彼にもこのわたし自身の想いが同調し、伝わったのだろう、わたしの名前を呼びながら唇を受けてくれる。

　あぁ…

　唇が触れた瞬間に熱い彼の想いが伝わり、流れ込んできた。

　あぁ、わたしは…

　健太に、彼に愛されている…

　そしてわたしも健太を完全に愛してしまった…


「ね、ねぇ…」
　わたしは必死な想いで唇を離し囁いた。

「あ、はい…」

「コーヒー…飲もうよ…」
　そう囁く。

「あ、うん…」

　このまま健太に抱き締められていたら、あまりのこの感じてくる心の快感に、動けなくなっちゃう気がしてきていたのであったのだ。
　この快感の中に一日中潜り込み、沈み込み、漂っていたくなってしまう衝動が沸き起こってきていたのである。

　もちろん今日から連休であるし、予定はないのだが、さすがにまだそれは無いかな、と想い、必死の心の抵抗をしたのだ。

　とりあえずコーヒーを飲めば昂ぶりも少し落ち着いてくれるだろう…

　わたしは一度心を落ち着かせ、整理をしたかったのだ。

　なぜならば、生活も、仕事も、そしてこの恋愛感情も、『黒い女』からの覚醒から、あまりにも急な、急激な速さの展開なのである。

　一度心を落ち着かせ、整理整頓しなくては、また、再び自律神経が暴走し始めてしまうような気になってしまっていた。

　大丈夫、この健太は、わたしからは逃げない、離れないのだから…

　わたしはそう心に言い聞かせていた。