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シャイニーストッキング

第6章 絡まるストッキング5 和哉と健太

 69 コーヒーの香り

「………はっ」

 俺はコーヒーの香りで目が覚めた。

 あっ、そうか…
 そうなのだ、昨夜は美冴さんを愛して、そして抱き締めて、一緒に寝たのだ。

 そしてこのコーヒーの香り…
 これが幸せな朝の時間の香りというやつなのか…
 ベッドサイドの時計を確認する。
 午前9時であった。

 ああ、なんか、久しぶりにゆっくりと眠れた気がする…

 この部屋に女性を泊めたのは初めてなのである。
 だから自分の部屋でのこんなシチュエーションも当然初めてなのであった。
 その時々の彼女の部屋でこんな朝を迎えた事は何度となくはあるが、大概はこの後に帰る事を考えたりしてしまい殆ど今のこの時間のような穏やかな、落ち着いた、幸せな時間を迎えた事がなかったのである。

 帰る事を気にしなくていいのって落ち着いていいモンなんだなぁ…

 そんな事を思っていると
  トントントン…
 と、下のリビングから中二階のらせん階段を登ってくる足音が聞こえてきた。
 
「あっ、健太さん起きてたの…
 おはよう…」
 と、そう言いながら俺の頬にキスしてきたのである。

 うわぁっ…

 俺は思わず、心の中で歓喜の声を上げた。

「とりあえずコーヒー煎れたけど…」

「あ、すいません…」
 まだ、図々しく彼氏ヅラの返答は出来なかったのだ。

「冷蔵庫の中、空っぽなんだもん、朝ごはんは作れなかったわ…」
 と、微笑を浮かべながらそう言ってきた。

 うわぁ、なんて会話なんだ…

 俺はすっかり舞い上がってしまう。

「コーヒー飲むでしょ」
 俺は頷く。
 そして起き上がった。

「あっ、もうっ」

「えっ、あっ…」
 俺は昨夜の寝落ちのままで、裸のフルチンであったのだ。
 しかも朝勃ちまでしていた。

「もおっ、元気なのはわかったから、ちゃんと着替えて降りてきてよ」
 と、美冴さんはそう言ったのだが、彼女だって、昨日着ていたブラウスを羽織っているだけなのである。
 ブラウスから綺麗な生脚が覗き、更に朝勃ちを助長してくるのだ。

「あんっ…」
 俺はそんな彼女を後ろから抱き締める。

「あん、け、健太さん、だ、ダメよ…」

 だが、その美冴さんの声は

 俺には、ダメとは聞こえなかった…

「あ、ああ…け、健太さん……」

 美冴さんのカラダから力が抜けていく…







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