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シャイニーストッキング

第15章 もつれるストッキング4    律子とゆかり

86 対峙の時(11)

 その一瞬の曇りとは…
 このわたしのストッキングを穿いた脚の魅惑さに気付いたからなのだろうと思えた。

 なぜならわたしはこの自身のストッキング脚のストッキングを穿いた脚の美しさに…
 自信があるから。

 そしてその自信は自らより以上にその魅力の意識を高めているから…
 より美しく…
 より魅惑的に見え、感じられるように努力をしているから…
 だってそれは大好きな、愛している彼、大原浩一の為…
 ストッキングフェチという性癖嗜好の強い彼、大原浩一の為…
 彼の思いをこの自身のストッキング脚に対してのフェチ嗜好の欲求と視線を独り占めに、つまりは、わたしのこの脚に集中し、独占したいが為だから。

 そしてもちろん彼女もそんな彼のフェチな性癖嗜好は十分に熟知をしている筈であろうし…
 だから以前の彼女をこっそりと覗き見した時や、また、今日この目の前に対峙をした瞬間からずうっと秘かに彼女のストッキング脚を覗き、観察をしていたのだが…
 わたしのストッキング脚の方が彼女より魅力的であり、いいや、彼のフェチ的性癖嗜好の好みに合致していると、はっきりと自信を持って自覚していたのである。

 わたしの脚、ストッキング脚の方が、より美しく…
 より魅力的であり魅惑的である…と。

 そしてその昂ぶりの思いも、彼女に対しての勝ち誇れ、優位さの源の要因でもあった…
 だから、彼女のこの視線の一瞬の曇りは正に、わたしのストッキング脚に対しての視線であり、このストッキング脚の美しさと魅惑さに対しての敗北という絶望感の顕れでもあるのだと思われる。
 
 わたしは給湯コーナーに歩き、そう思いと考えを巡らせながらコーヒーの準備をしていく…

 わたしは負けていない…
 ううん、勝っている、勝ったのだ…
 そして彼はもう…
 わたしのモノだ。

 ついこの前までは、彼を奪うという思いではなくて…
 自分自身の魅力を高め、彼自身の想いをわたしに向け、自分のモノにしたい、いや、しよう、と、思っていた。

 だが、山崎のおじさまが必要に応じてという流れともいえたのだが、そして仕方なくわたしの出自、血脈の秘密を彼に伝えた時に、わたしのそんな思いに変化が起きて…
 彼を奪う、つまりは、佐々木ゆかりから奪い取るという思いの欲求に変わったのである。

 彼を奪い穫る…




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