テキストサイズ

シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 132 律子のおヘソ…

「でもぉ、そうよ、そうよねっ、そうに違いないわよねっ」
 
「え?」
 そんな律子のやや強い声音の感じにドキンとしてしまい、思わず律子を見ると…
 その目は笑ってはいなかった。

 律子はやはり、私のことなど全てお見透しということなのであろう…

「さ…てと…
 早くアタマを流して出てらしてくださいね」
 と、突然、なぜか律子はそうシラっとした感じに言って…
 シャワールームから、さっさと出て行ってしまったのである。

「え?…」
 そんな戸惑う私を残し…
 バタンとシャワールームのドアが閉まった。

 え、いや、今のはいったい何だ?…
 そう、てっきり私はこの流れのままに律子を抱く、いや、抱き、愛し、そしてやや、少しヘソを曲げている様な律子の機嫌を取り成ししようと、内心、いや、一瞬、考えていたのであるが…
 そくさくと、どうやら言うだけ言った感じでシャワールームを出て行ってしまった様なのである。

 あ、いや、違うのかもしれない?…
 きっと律子は、そんな感じで私に抱かれて誤魔化される事が分かっていて、自らその流れを回避したのかもしれない。

 いや、そうだ、間違いない、そうに違いない…

「だとしたら…」

 ジャーーー…………

 私は慌ててカラダを洗い流し…
 
 いや、律子は私の想像以上に怒り、いいや、ヘソを曲げているみたいである。

 もちろん、今夜は、たっぷりと律子を抱き、愛してやろう…
 と、内心、朝から考えてはいた。

 それに昨夜は未遂で終わったというせいもあるから、余計にそう考えていたのだが…

 どうやらそう単純にはいかないかもしれないな…

 私はやや焦りながら、そして出たらなんとか律子の機嫌を直さなければ…
 と、思いながら、慌てて残りのカラダを洗い流し、バスタオルを巻き、シャワールームを出る。

「ふうぅ、出たよ…」
 とりあえず機嫌を伺うかの様にそう声を掛けると…

「え?…」
 

ストーリーメニュー

TOPTOPへ