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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 131 全てお見透し

「そうだわ、そうよね」

「え?…」
 すると律子は何かに気付いたかの様に呟き…

「昨夜のわたしの寝落ちのせいでアナタが未遂になってしまったからかしら?」
 そう言ってきた。

 それは…
 昨日、昼間から夜にかけてすっかり律子の美しい凛としての秘書然とした様子や、私のプライベートの一部に触れ本来の28歳という素顔の表情を見たせいで、すっかり私が昂ぶり、興奮し、帰るや否や私の脚フェチ、ストッキングフェチな衝動野勢いのままの愛撫の間に、秘書就任以来の疲れ等が重なったのだろう…
 寝落ちしてしまったという経緯があった。

 どうやらその寝落ちの未遂の反動からのこの敏感な昂ぶりの反応ではないのか?
 そう思ったようなのだ。

 普通はそう思うのは間違いではないのだが…
 実はここ約この一ヶ月ちょっとの期間の私のセックスの頻度が異常、いいや、異常なのである。

 私はこの期間中の殆どの夜は…
 佐々木ゆかり…
 蒼井美冴…
 元カノである本田きよみやノンこと山下望等…
 そして律子と…
 セックスをしまくりという日々を、夜を送ってしまっていたのだ。

 だからある意味、いや、本当のところは…
 昨夜の律子との未遂は、却って良いインターバル的な下半身の休憩の夜といえたのである。

 だから、間違ってもそんな律子との昨夜の未遂のせいの反動の昂ぶりではないのだ…

「…………あ、い、いや……」
 さすがに私がそんな律子の閃きの言葉を否定する訳にはいかないし…
 おそらくはさっきの竹下くんの誘惑に揺らいだ反動からの昂ぶりの反応かも?
とは、本当のことはいえないでいた。

「えぇ、でもぉ…だってぇ…」
 更にギュッ、ギュッと強弱の握りの責めを続けながら、そんな甘い、甘えた声で囁いてくる。

「い、いや……」
 私はさすがに本当のことは言えなくて、そう呟きながら目を逸らし、そんな律子の手指の絶妙な快感に身悶えしていく。

「でもぉ、そうよ、そうよねっ、そうに違いないわよねっ」
 だが、突然、律子の声音が強くなった。

「え?」
 そんな声の感じに私はドキンとしてしまい、思わず律子を見ると…
 律子の目が笑ってはいなかったのだ。

 いや、やはり…

 そんな律子はやはり、私のことなど全てお見透しということなのであろう…

 その目が、そう語ってくる…


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