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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 106 シナリオの如くに…

「ほう、それはぜひ見たかったなぁ」

「えぇとぉ、確か31階でぇ、新潟市内はもとより佐渡ヶ島や周りの山々の眺望も素敵なんですよぉ…
 あとカフェやバーもあってぇ…」

「へぇ、それはぜひ行きたかったなぁ」
 だが私はあくまでも二人の話しに合わせているだけで、本心では言ってはいない…
 いや、逆に内心は咄嗟に、明日律子と行ってみたいな、と考えてしまっていたくらいであったのだ。

 だがしかし…
「あ、そういえばぁ、確かぁ午後10時迄やってる筈ですからぁ、今から行きますかぁ?」
 なんと、彼女がそう言ってきたのである。

「ほう、それはいいかもですねぇ、ぜひあの眺望と夜景は見てもらいたいもんですなぁ」
 すると、永岡支社長までもがそう言ってくる。

「それにまだ7時過ぎですからね」

 そう、これは、この流れは、永岡支社長のいつもの、いや、接待要員としての支社長専属秘書の彼女の作戦でもあり、指令、使命でもあったのだ…

「あ、いや、でも…」

「そうですよぉ大原常務さん、まだ7時過ぎですしぃ、ぜひぜひあの眺望の夜景は見て欲しいなぁ…
 あ、そうかぁ、そんな夜景なんてぇ、東京都内から比べたらぁ、なんてことないですよねぇ」

 そして彼女はそう呟きながら、更にストッキングの爪先をさり気なく押し付けてくる…
 
「い、いや、そんな都内に居たって夜景なんてあまり気にした事なんて無いし…」
 この話しの流れでは、そう応えるしかない。

 そして指先に感じる彼女のストッキングの爪先のザラザラとしたナイロン繊維の感触が、私のストッキングフェチの心を更に刺激し、昂ぶらせてくるのだ…

「えぇ、じゃあぜひ大原常務さん、行きましょうよぉ」

「え、あ、いや…」

 それは、このやり取りは…

 そう、まるで台本でもあるかの様に、そして私のフェチ心をチクチクと刺激をされながら…

 この二人のシナリオの如くの話しの流れにより、断り切れなくなってしまったのである。

 いや、これが、真中前常務から続く、この新潟支社の接待の流れなのであろう…

 私はストッキングフェチが故に、そして間抜けな事に、この永岡支社長と竹下雪恵という接待要員である支社長専属秘書である彼女のストッキングの艶気と魅惑という誘惑により…
 まんまと策略に陥ってしまったといえるのだ。
 
 
 

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