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シャイニーストッキング

第14章 もつれるストッキング3          常務取締役大原浩一

 105 触れる爪先…

 方やこの竹下くんのストッキング脚は、正に肉惑的なストッキング脚といえ、決して細くはないのだが、太過ぎず、そしてやや筋肉質といえる様なメリハリのある脚にブラウン系の艶と光沢のあるストッキングを穿いている…
 そしてそのブラウン系の艶と光沢が彼女の脚をより肉惑的に、より魅惑的に美しくアピールをし、いや、ストッキングフェチの私に対して嗜好的な刺激を訴え掛けてきているのだ。

 そんなその肉惑的で魅惑的なブラウンの艶やかな光沢のストッキングの爪先が、今、正に、私の指先の僅か数センチ先に鎮座しているのである…
 これが、この状況が、ストッキングフェチである私が昂ぶらないはずが無い訳で、ましてや彼女は自らを接待要員としての存在意義を自覚している魅力的な女性なのであるから、その私を誘うかの様な濡れた目や爪先の動きに私は思い切り心を揺るがせ、昂ぶらせてしまっていたのである。

「残念ですわ、大原常務さんにお時間の余裕がおありだったら、わたしが少しでも良いところのご案内ができましたのに…」
 
 おそらくは、こんな私のストッキングフェチの嗜好の衝動に昂ぶっている視線を感じてなのだろう…
 彼女はそう私に向かって言ってきた。

「うむそうだなぁ、せめて大原常務にはぜひとも白山公園や白山神社辺りは見て行ってもらいたいもんだがなぁ」
 と、今度は永岡支社長が言ってくる。

「え、あ、あ、うん、そうなんですかぁ…
 それは…残念です」
 そう私が呟く様に言った瞬間、ついに彼女は自らそのストッキング爪先を私の指先に触れてきたのだ。

 そして私はビクっと指先を震わせてしまい…
 ザワザワと心を揺らがせてしまう。

 しかし、自ら爪先を動かし触れてきた彼女はその動きに対しては全くの知らん顔を決め込み、そして永岡支社長の顔を見ながら…
「あと『Befcoばかうけ展望室』の景色も眺めてもらいたかったですわぁ」
 と、言ってくる。

「え、『…ばかうけ…』って?」
 初めて聞いた名前なので訊き直す。

「あ、はい、新潟市内イチの高層ビルの最上階が、パノラマ展望室になってましてぇ、その景色が素敵なんですよぉ」

「ほう、それはぜひ見たかったなぁ」
 と、私が話しに合わせてそう言うと、彼女の爪先がピクッと私の指先を撫でるかの様に僅かに動いてきた。



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