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シャイニーストッキング

第10章 絡まるストッキング9      美冴とゆかり

 89 ビアンな夜(30)

 えっ、なに?…
 そしてその高鳴りに戸惑いを感じてしまう。

 な、なんで?…
 わたしはその高鳴りの意味を必死に考えていく。

 あっ、やはり、この美冴さんの目のせいなのか?…

 わたしはやはりこの目に…

 昂ぶりを感じているのか?…

 その見つめてくる美冴さんの目が、妖艶で、淫靡で、淫らな欲情に濡れているのだ…
 そして、更にその輝きの奥から、何かを感じてくるのである。

 なんだ?、なんだろうか?…
 美冴さんの目を見つめ、見る程に、吸い込まれ、魅せられそうになり、高なりが激しくなってくるのだ。

 なに?、なんだ?…

 ドキドキドキドキドキドキドキドキ…
 高鳴りは治まらない。

 そして美冴さんの指先がゆっくりと頬を撫でてきた。

 ドキンっ、ドキドキドキドキ…

 まるでそんな僅かな感触なのに、電流が流れたかの様に震えてしまう。

 ウズウズウズウズウズウズ…
 そして疼きも更に昂ぶってくる。

 あっ…
 その瞬間、わたしはこの高鳴りと昂ぶりの意味が分かった。

 わたしは完全に美冴さんに魅了され、魅せられてしまい、もっと愛されたい…

 感じさせて欲しい…

 そんな感情を、心の奥深くの深層に秘めていたのである。

 だから…

 だから、あの頃、あの時に…

 あの『おぼろげな瞳』に魅せられ…

 彼の目から生まれて初めての嫉妬心を感じ…

 そして何の解決もできないままに、美冴さんに『完全降伏』という…
 抗わない秘密の感情を心に秘めたのだ。
 
 そしてそれがつまり…

 今夜の、この流れに、こうして同性愛的な感情に覆われ、無抵抗でこの美冴さんに一方的に抱かれているカタチとなっているのだ…

 そしてそれは…

 先の『完全降伏』という美冴さんには抗わない、いや、抗えないという感情を生み、それが…

 抱かれたい…

 愛されたい…

 つまり受け身の、更にはエム的といえる感情を生み、今、こうしてわたしの心を高鳴らせ…

 昂ぶらせ…

 心を震わせ…

 揺らがせ…

 濡らせてきているのだ…と、思われるのである。

 だから、この美冴さんの視線に震え、必要以上に感じてしまっているのだ…




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