
アシスタントで来ただけなのに…!
第1章 鬼才漫画家、市川ルイ
「あの…」
扉の隙間からその人に声をかけた。
しかし、その人は振り返る事なく、ただ目の前のパソコンのキーボードを打ち込む。
仕事をしているのか、それならば邪魔しない方がいいのかもしれないと思い、すぐ様身を引いたが、腕時計で時間を確認したら面接の時間になっていた。
時間を守るのは社会人のマナーだ。もしかしたら私の声が小さくて聞こえていなかったのかもしれないと思い、今度は扉を開き、先程より声量を上げてもう一度声をかけた。
「あの…!」
すると、長い髪が揺れてこちらに振り返った。
やっと気づいてもらえたと安堵し、その人の顔を見た。
えっと小さく声を上げた。
その顔は週刊紙で撮られていた市川ルイだった。
なんなら、撮られた写真よりも、今目の前にいる本人の方が綺麗で本当に人形のようだ。
イケメンどころではない、美しすぎる。
「あぁ、来たんだな」
するりと立ち上がるとその人は私の目の前までやって来た。
背丈は私より大きくて色白で手足が長い。着ているシャツから見える白い鎖骨が少し色気を出している。
モデルのような体型で言葉にならず、立ち尽くしていると首を傾げた。
「入らないのか?」
あっと声を出して頭を下げた。
「すいません、失礼します」
ゆっくり扉を閉めて、ガタガタに震える足で会釈をした。
「須藤加奈子です、その、よろしくお願いします」
心臓の音が大きすぎて何も聞こえないが、声が震えているのは分かった。
小さく会釈をする私は床しか見えていないが、頭部から声がした。
「市川ルイだ、もっと入って構わない」
市川ルイ!心の中で叫んだ。
遂にやっと、市川ルイに会えた。
ここまで道のり長かった。何度引き返そうと思ったか。
憧れの市川ルイに会うために専門学校にまで行って、様々なことを磨いてきた。
今までの努力が実った瞬間だった。
走馬灯のように今までの日々が頭に流れてきて涙が出そうになり、声が出なかった。
「どうした?もっと入っていいぞ」
「あっ!すいません」
感動のあまりこの先どうすべきがすっ飛んでしまい慌てる。
平常心を保とうと息吸い込み、市川先生に案内されて中に入った。
扉の隙間からその人に声をかけた。
しかし、その人は振り返る事なく、ただ目の前のパソコンのキーボードを打ち込む。
仕事をしているのか、それならば邪魔しない方がいいのかもしれないと思い、すぐ様身を引いたが、腕時計で時間を確認したら面接の時間になっていた。
時間を守るのは社会人のマナーだ。もしかしたら私の声が小さくて聞こえていなかったのかもしれないと思い、今度は扉を開き、先程より声量を上げてもう一度声をかけた。
「あの…!」
すると、長い髪が揺れてこちらに振り返った。
やっと気づいてもらえたと安堵し、その人の顔を見た。
えっと小さく声を上げた。
その顔は週刊紙で撮られていた市川ルイだった。
なんなら、撮られた写真よりも、今目の前にいる本人の方が綺麗で本当に人形のようだ。
イケメンどころではない、美しすぎる。
「あぁ、来たんだな」
するりと立ち上がるとその人は私の目の前までやって来た。
背丈は私より大きくて色白で手足が長い。着ているシャツから見える白い鎖骨が少し色気を出している。
モデルのような体型で言葉にならず、立ち尽くしていると首を傾げた。
「入らないのか?」
あっと声を出して頭を下げた。
「すいません、失礼します」
ゆっくり扉を閉めて、ガタガタに震える足で会釈をした。
「須藤加奈子です、その、よろしくお願いします」
心臓の音が大きすぎて何も聞こえないが、声が震えているのは分かった。
小さく会釈をする私は床しか見えていないが、頭部から声がした。
「市川ルイだ、もっと入って構わない」
市川ルイ!心の中で叫んだ。
遂にやっと、市川ルイに会えた。
ここまで道のり長かった。何度引き返そうと思ったか。
憧れの市川ルイに会うために専門学校にまで行って、様々なことを磨いてきた。
今までの努力が実った瞬間だった。
走馬灯のように今までの日々が頭に流れてきて涙が出そうになり、声が出なかった。
「どうした?もっと入っていいぞ」
「あっ!すいません」
感動のあまりこの先どうすべきがすっ飛んでしまい慌てる。
平常心を保とうと息吸い込み、市川先生に案内されて中に入った。
