
イジワルな彼女。
第9章 縁-エニシ-
授業も終わり放課後になった。
僕は亮太に、唯さんのことを
どう切り出そうかずっと考えていた。
今日から放課後は、文化祭の準備で
係りによっては居残りすることになる。
清水と松浦は裏方グループ同士、
材料の買い出しに行くようだ。
神田は調理(2)のくじを引いたため、
家庭科室へと向かった…はずだ。
僕と亮太のグループは、
今日のところは解散となった。
「じゃあ、帰るか!」
亮太が僕に声を掛ける。
「あぁ」
「つーか、コスプレ何にする?」
「まだ考えてない」
「そっか。女子はいいよなぁ。
なんだかんだメイドとかやる気満々だぜ?」
亮太が笑いながら言う。
「原もメイドやるって?」
「どうかな?まぁメイドもいいけど、
ナースとかCAもいいよな」
「制服好きだな」
「悠は?お前もフェチとかあるだろ?」
「フェチね…ご想像にお任せします」
「そっかそっか。やばめなフェチね」
「…そうかもな」
亮太は自然に、
いつものペースに持っていってくれる。
計算しているのか、天性のものなのか…。
でも、亮太のお陰で
僕らは普段通りに下校した。
