
イジワルな彼女。
第8章 絆-キズナ-
女性は僕の顔をじっと見た。そして、
「あ!こないだの…」
「はい!いきなりすみません!」
僕はすかさず謝って、
「これからお仕事ですか?」
そう続けた。
「…あ、今日はお店に寄るだけで」
女性は少し困った顔で、
でもちゃんと返事をしてくれた。
「そうなんですか。実はさっき改札で…」
「あぁ!失礼しました」
「いえいえ!全然大丈夫です!
それで、その時に…
大野さんだって気づいたんです」
「…そうだったんですね」
大野さんはそう答えると、
僕のことをまじまじと見つめながら
「てか、もしかして○○西高生?」
「はい。そうですけど…」
「やっぱり!その制服、懐かしーい!」
「???」
突然タメ語になった大野さんは
先程までの態度からうって代わって、
「お店、一緒に行きます?
そういえば、名前…何くん?」
「行ってもいいんですか!?」
「え?行かないの?」
「行きます!あと、小日向悠って言います。
よろしくお願いします!」
急展開に驚きながらも、
僕は大野さんと一緒に喫茶店に向かった。
