
イジワルな彼女。
第7章 茜-アカネ-
僕はベッドから降りて、
気怠い頭と身体をリフレッシュさせるため
顔を洗いに洗面所に向かうことにした。
タオルで顔の水気を拭き、僕は鏡を見る。
まだ見慣れない短い髪の毛先を
指で少し弄り、部屋へと戻っていった。
…本当はコーヒーでも飲んでリフレッシュ
したいところだが、僕は唯さんの気配を
完全に断ち切るために我慢した。
机に向かうと、ヘッドホンを装着して
僕は目の前の宿題に手をつけ始めた。
それからひたすら無心でペンを走らせる。
お陰で、なんとか終わりが見えてきた。
ブーッ ブーッ
机に置いたスマホが、着信を知らせる。
[山岡 亮太]
僕はヘッドホンを外すと
一呼吸おいて、通話ボタンに触れた。
