
イジワルな彼女。
第6章 密-ヒソカ-
[新着メッセージ1件]
[篠塚 菜摘]
「…」
僕はメッセージを開くことなく、
スマホをポケットに戻し自宅へと急いだ。
玄関を開け、洗面所で素早く手を洗うと
僕はそのまま自分の部屋に入る。
すぐにPCの電源を入れて、
あの女性がいた駅周辺の地図を検索した。
唯さんはコーヒーが好きだ。
だから僕は地図から手当たり次第、
カフェや喫茶店を調べていった。
念のため、チェーン店も含め
次々とチェックしていく。
すると、かなりの軒数がhitした。
この駅が唯さんの地元かも分からないし、
そもそもあの女性が
唯さんだったのかも分からない。
でも、いまの僕に出来ることは
これしかなかった。
それに…
あの女性が唯さんだと、信じたかった。
