
イジワルな彼女。
第6章 密-ヒソカ-
トイレを済ませて、部屋に戻る。
スマホを見ると、未読のメッセージが
膨大な数になっていた。
「なんだよ、100超えって…」
僕は呆れながら、メッセージに目を通す。
さっきのグループトークの続きが、
ついさっきまで行われていたようだ。
僕はとりあえず、
[寝落ちてた]
その一言と、スタンプだけ送ってみる。
すると、すぐに既読が1件ついた。
その直後に電話が鳴る。相手は亮太だ。
「もしもし」
「お前寝すぎ!」
「わりぃ。疲れてた」
「…そっか。お疲れ」
珍しく亮太の声が暗い。
「急にどうした?」
「…」
「なんだよ?」
「もうすぐ学校だろ?」
「さっきの宿題のこと?」
「まー、それもあるけどさ」
「それ以外にも何かあったっけ?」
「さつきがさ、その…」
「原?原がどうした?」
「…………」
「亮太?」
「…出来たかもって」
その一言で、僕は全てを理解した。
