
イジワルな彼女。
第6章 密-ヒソカ-
「…」
だが僕は、
亮太に何て返したらいいのか
分からず言葉に詰まる。
「悠?」
「あぁ、聞いてるよ」
「どーすりゃいいんだろ…」
「原とは話した?」
「いや、まだ…」
「とりあえず、学校始まる前に
直接話した方がいいんじゃ?」
「そうだよな…」
「早い方がいいし…。バイトは?」
「明日っつか、もう今日か。
今日は夕方から…」
「今日休める?
何とか時間つくって、原と話しろよ!」
「…わかった」
「…」
「…」
沈黙が続く。
「話が終わったら連絡しろよ?」
僕は亮太にそう伝えたが、亮太は
「あぁ。でも…」
「でも?なんだよ」
「さつき、会ってくれるか分かんねー」
「は!?」
「超キレてたし、電話も全然でねーし…」
「…」
僕は原に同情しながら、
亮太へのイライラをなるべく抑えて
なんとか亮太を説得した。
