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イジワルな彼女。

第5章 巡-メグル-


シャワーの水を頭からかけ、
シャンプーを手に取る。
この夏休み中にだらしなく伸びた髪を
泡立てながら、僕は明日にでも
髪を切りに行くことに決めた。

ベタついた身体も洗い終え、浴室を出る。

タオルで髪を乾かしながら、
明日はどんな髪型にしようか…
僕はそんなことに気をとられ何かに躓く。

「っ痛!」

正体は、洗面所に置きっぱなしにしていた
僕のリュックだった。
中は参考書やテキストでパンパンだから、
ぶつけた左足の指先は地味に痛い。

溜め息ながらにリュックを拾い上げ、
僕は自室へ戻った。

床にリュックをどさっと置くと
ベッドの上に仰向けになった僕は、
再び目を閉じる。


今日は、とにかく疲れた。

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