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イジワルな彼女。

第2章 歩-アユム-


予備校に着いたら、
そこからは外の日射しの強さも
世間の喧騒も関係ない。

講師は特に当たり障りもなく、
ただ自分の仕事をこなすだけだ。
僕は別にそれでいいと思っている。


第一志望の大学は自分で決めた。
僕は昔から、
決められたレールの上をただ歩く
そんな人生を送ることに抵抗がある。
でも、だからと言って
僕には秀でたところがある訳でも
人に自慢できるようなものも特にない。

平凡。中の上?いや、中か。
自己評価も、周りからの評価も
大差はなくほぼ同じだろう。

そんな僕に
特別なレールの上を歩くことは出来ない。

だからそこそこの大学に入って、
そこそこの会社に就職して、
結婚して、普通の家庭を築けたら
それだけで充分だ。

それが今の僕の理想のレールだ。

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