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イジワルな彼女。

第5章 巡-メグル-


夏休みも、残り4日をきった。
亮太の言う通り、僕は今年の夏を
満喫することなく終わりを迎えるだろう。

「…」

目を閉じたまま、
僕は唯さんの笑顔を思い浮かべた。

「女々しいな、俺」

こんなにも誰かに執着したのは、
生まれて初めてかもしれない。
でも、もう忘れるしかないんだよな…。


そんなことを考えていると、
スマホが震えだした。

画面を見ると、亮太からの着信だった。
しかし僕は電話には出ずに、
スマホを枕元へ戻した。

今は誰とも話す気になれなかった。

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