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イジワルな彼女。

第5章 巡-メグル-


玄関の鍵を開け、中に入る。
僕は靴を脱ぎながら
右手で壁のスイッチを二つ押し、
玄関と真っ暗な廊下の電気を点けた。
そしてそのまま洗面所に直行し、
背負っていたリュックを足元におろす。

蛇口をひねり水を出すと、
バシャバシャと思いっきり顔を洗った。
少しだけスッキリした僕は
蛇口をとめ、顔をタオルで覆う。

タオルをずらして、鏡の中の僕をみた。

さっきよりはマシになった顔を確認し、
僕は再び蛇口から水を出す。
手洗いうがいを済ませ、
最後にもう一度だけ顔を洗った。

最初に勢いよく顔を洗ったせいで、
洗面台の周りには水が飛び散っていた。

「…」

僕は顔と手をタオルで拭き終えると、
飛び散った水もさっと拭いてから
洗面所をあとにした。

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