
イジワルな彼女。
第4章 薫-カオル-
それから僕は駅前のコンビニに立ち寄り、
ドリンクコーナーの前で足を止めた。
別に、喉が渇いている訳ではない。
冷蔵庫のドアを開け、
缶チューハイに手を伸ばした。
もうすぐ夏休みも終わる。
今日くらい、ハメを外してもいいだろう。
「…」
僕は缶チューハイを冷蔵庫へ戻すと、
何も買わずにコンビニを出た。
それからコンビニの脇へと
吸い込まれるかのように進み、
そのままゆっくりとその場に座り込んだ。
「はぁ…」
僕は大きく溜め息をつきながら
顔を下に向け、そっと目を閉じた。
