
イジワルな彼女。
第4章 薫-カオル-
最初に接客してくれた店員さんが
レジに来て、大野さんに耳打ちをしている。
それを大野さんは笑顔で対応し終えると、
「お待たせいたしました。
お会計、2点で1,011円でございます。」
そのまま僕の会計も担当してくれた。
「これでお願いします」
僕は財布から千円札を2枚取り出し、
大野さんに渡した。
「…」
最後にもう一言、
僕は大野さんに話したいことがあった。
でも、それは伝えずにお釣りを受け取る。
「色々、ありがとうございました」
お釣りをしまい終えた僕は、頭を下げた。
「いえ、とんでもございません。
ご来店ありがとうございます」
「ありがとうございます。
またのお越しをお待ちしております」
大野さんと、
もう一人の店員さんに見送られながら
僕はお店をあとにした。
