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イジワルな彼女。

第4章 薫-カオル-


二つ目の氷を口に含みながら、
彼女が戻ってくるまでに
僕は頭の中を一から整理し直す。

このカフェに来るまでの間、
何度も何度もシミュレーションしてきた。


…時間がない。
気持ちだけが焦る。

でも、
このチャンスを逃す訳にはいかない。

「落ち着け、俺!」

そう自分に言い聞かせ、
もう一度シミュレーションする。


そして再び僕のもとへ
カツ カツとあの音を立てながら、
彼女がやって来る。

小さくなった氷を
僕はごくんと、飲み込んだ。

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