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イジワルな彼女。

第4章 薫-カオル-


「あ、あのっ!」

僕は勇気を出して彼女を呼び止めた。

彼女の肩は少しビクッとしたが、
すぐに体を僕の方へ向き直してくれた。

「いきなりすみません!
ちょっと聞きたいことがあって…」

僕がそう続けると、

「かしこまりました。
私でよければお伺いいたします」

彼女からの返事に僕は安堵した。


しかし次の瞬間、

「…昨日のことですよね?」

彼女が少し屈んで
コソッと囁いてきたので、
僕の心臓は今にも飛び出しそうになった。

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