テキストサイズ

イジワルな彼女。

第3章 雫-シズク-


自宅の最寄り駅に到着し
改札をでると、僕は深呼吸をした。

そして、いつもとは反対側の出口へ
続く階段を降りていく。


今年はセミの鳴き声を聞いた覚えが
ほとんどない気がしたが、
駅のロータリーのちょっとした広場に
植わっている木の方から
ジリジリジリ…と、セミの声が聞こえる。

夏の終わりに
やっと夏らしさを感じながら、
僕は目的地へ向かった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ