
僕のまーくん。
第45章 ドキドキの体育祭
屋上から、急いで校庭に降りて行った所で
まーくんと、大ちゃん先輩と別れた。
A「かずくん!またあとでね♡♡」
まーくんがニコニコしながら、ブンブンと
手を振っていた。
そのすぐ横で大ちゃん先輩も、「またな」
って手を振ってくれていた。
N「うん!がんばろーねっ」
僕も、手を振り返して急ぎ足で
一旦、トイレに行こうとした。
だけどそのあとすぐに、
急に背後から大きな声で呼び止められた。
振り返ったら、綾野君が真っ赤な顔して
立っていた。
N「あ!綾野君!ごめ……」
「すみません!!!」
僕が綾野君に何にも言わずさっさとお昼に
姿を消してしまった事を、謝ろうとした瞬間、
その言葉に被せるように、綾野君の方が
謝ってきた。
N「え……」
「あのっ、あ、あのオレすみません本当に!」
息を切らしながら肩が上がったり下がったり
してる綾野君は、そのまま一気に続けた。
「二宮君から、目離しちゃって実はその…まるっ」
そこまで言った綾野君は、急に下を向いて黙って
しまった。
N「まる?」
って?
綾野君は口をぎゅっと噛んでいる。
N「え?大丈夫?綾野君?」
様子がちょっとおかしい綾野君にもう一度
話しかけた。
N「どうしたの?なんかあった?」
下から少し覗き込むようにして綾野君を
見上げたら、
N「えっ?はっ!?」
「す、すみません…っ」
急に涙ぐんだ目をした綾野君の顔が
見えて、ビックリした僕は
N「綾野君!どしたの?え?ちょ、ちょっと
こっち行こ。」
綾野君の右腕を引っ張って、人が少ないほうに
歩いて連れて行った。
「す、すみません…本当に」
ぐすっと、鼻をすすりながら綾野君は
下を向いている。
引っ張っていた手を離してもう一度聞いた。
N「なんかあったの?」
