
僕のまーくん。
第43章 紙切れの真犯人?
……正直。
ムカついてる腹の中とは別に、目の前のこの
人達を相手にしてるのも馬鹿らしく思えてきた。
キャッキャッと騒いでるふたりを、じっと見て
いたら吉高さんのほうが、僕にジリジリっと
2、3歩近付いてきてこう言った。
「先輩から何にも聞いてない?二宮くん♡」
N「……何が?」
「あたしとぉ、先輩の事♡」
N「何にも……」
「ふぅん、そっかぁ。やっぱ言えないかな?
うふふ」
楽しそうに、こっちの様子を伺うような感じで
覗きこんでくる吉高さん。
……あたしと先輩の……事って?
やっぱり、なんかあったの?
まーくん。
「気をつけて。」
って忠告していたまーくん。
まさにそれ?
今からこの人が言おうってしてる言葉…
なんか、目の前のニヤニヤしている二人からは
僕にとっては、絶対いい事じゃないって事
だけは分かる空気が流れてる。
何なんだよ?
「フフッ……あのね?私ぃ先輩とちょうどココ
ら辺でね?チュウしちゃったんだぁ♡
あっ!言っちゃった♡フフフフッ」
……。
ちゅう?
ちゅー?
ちゅうぅぅぅっっ!!?
って、はぁぁっ!!?
笑ってる吉高さんをガン見する僕は
開いた口も塞がんない馬鹿みたいな顔してた
と思う。
それに追い討ちをかけるように、吉高さんは
「相葉先輩も満更じゃなさそうだったよぉ?」
って。
……マジかよ?
うそ……だ。
まーくん、そんな事一言も言ってないよ。
……っていうか何なのよ。
その状況。
いつの話だよ?
「二宮くぅん♡ビックリした?フフフフッ
やっぱり知らなかったんだね?
私と相葉先輩のひ、み、つだったからさぁ」
そう言ってる吉高さんに、隣の石川さんが
「やだぁ、由里子やるじゃん♡」なんて
女子二人腕を絡ませながらじゃれている
姿を、呆然と眺めていて…
僕は、頭の中はグッチャグチャで…
握りしめてる拳だけ、なんだか
冷たくなっている感覚で。
信じてるはずの、まーくんの事が…
吉高さんの言葉で分からなくなった。
でも……
状況的にさ。
まーくんの事だ。
きっと、きっとさ……
なんか、訳があったんだよ。
まーくんは……
僕を裏切ったりしない。
頭の中で必死にそう繰り返した。
