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僕のまーくん。

第43章 紙切れの真犯人?



「あれはぁ、由里子に頼まれてたのぉ
 フフフフっねぇ?由里子ぉ~♪」


はっ?

えっ?


石川さんが呼び掛けたほうを見たら、
壁の向こう側から髪の長い女子が現れた。


あっ!?

この人っ!!


「はじめまして?でもないよねぇ
 に、の、み、や、く、ん
 あの時は一瞬だったから覚えてないかなぁ?」


にっこり笑って話しかけてる、この人こそ
今、顔を合わせてはっきり思い出した。

あの日まーくんに告白して、泣いて行っちゃった
あの子だった。



石川さんに「ゆりこ」と呼ばれたその子の
胸元のネームが目に入った。
「吉高」
よしたかゆりこ?
違うクラスだし、僕は本当にあんな事がなければ
全然知らない人だったけど……




N「……本当に君が?」



「えぇっ?あれぇ?そだよぉ」



N「なんでっ……」



「なんでって、私と違うしクラス。ちょうど
 中学からずっと仲いいさとみが、二宮君と
 同じクラスだって分かったからさ♪
 お願いしたの。二宮君に手紙渡してって♡」



N 「……」




「ちゃ~んと見てくれたぁ?……うーん
 だけどあんな書き方じゃ、全然伝わんなかっ
 たかぁ~」



目の前に、二人の可愛い女子がフフフフって
お互いに目を合わせながら笑ってる。
状況が、状況でなければさ。
こんな可愛い女子二人に呼び出されてるなんて
普通の男子が聞いたら羨ましがる状況なんだろう。
きっと。


でも、僕を目の前に薄ら笑ってるこの二人は
僕の事は、ただただ嫌がらせの対象でしか
ないんだ。


「えぇっ?でもぉ男とヤりまくってるの
 知ってますぅ♡♡ってちゃ~んと教えて
 あげたのにねぇ」



「ねぇ♡フフフフっ」


女子特有のキャッキャッと高い声で目の前で
楽しそうにしてる二人。

僕は、ぎゅっと拳を握ってまーくんに
つきまとってる吉高さんに、思いきって
言った。


N「よ、吉高さん……」


「なに?」


ん?と首をちょこんと曲げてこっちを見る
吉高さん。


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