
僕のまーくん。
第43章 紙切れの真犯人?
A「かずくん、ちょっとこっち来て!」
N「あっ…ちょっ」
まーくんに背中を押されながらちょっと
階段の踊り場の端っこに移動した。
キョロキョロするまーくんを僕はチラッと
見てまた、目を合わさないように下を向いた。
抱えてた音楽の教科書をぎゅっと
胸の前で握り締める。
……なに、話があるって?
怖い……聞きたくない内容かも…
A「えっと…かずくん、朝はごめんね?
…おーい、かずくん?」
そう言って、俯いてる僕の顔を覗き込んでる
まーくん。
不貞腐れた態度がついそのまま出ちゃって。
無言の僕にまーくんはこう言った。
A「かずくん……まず、あの女の子と会って
たの黙ってた事、本当にごめんね?……
会ってたっていうか、いや。僕は、何回も
断ってるんだけど、聞いてもらえないって
いうか……」
まーくんが、僕を真っ直ぐ見て頭をぐちゃぐちゃ
掻きながら一生懸命説明している。
N「……」
A「えっと、あぁ……もう!あんま時間ないね…
かずくん?」
黙ったまんまの僕をもう一度心配そうに
覗き込むまーくんの顔をやっぱり見れなくて……
下を向いたまんま、ぶっきらぼうに呟いた。
N「……僕何にも知らなかったのがやだった」
A「うん、本当にごめん。……で、かずくん
あのさ、その子ね?顔覚えてる?」
N 「え?顔?なんで……?」
A「いや、あのね……何て言うかさかずくんの
事、逆に恨んじゃってるっていうか……
とにかく、気をつけて!僕の事をかずくんに
もしかしたら色々言って来るかもしれない
けどさ、かずくんは僕の事信じて欲しい!」
早口で、まーくんが一生懸命話すから
その内容を理解するまで、数秒かかった。
要するに、
N「……その子とやっぱり何かあったの?」
まーくんの目を下から真っ直ぐ見つめた。
A「いや、だからさ違うんだよ……違うっていうか
……あのね、」
キーンコーンカーンコーン♪♪♪
まーくんがまだなんか話そうとしている
途中で休み時間の終わりのチャイムが鳴った。
N「……はっきり言えないような事、あったんだ」
A「えっ?違っ……いや、んもうっ……あ…」
N「……もういいよ…行かなきゃ……」
クルッそのままとまーくんに背を向けた。
