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N「……覚えてるに決まってるじゃん……」


忘れるはずないでしょ。


A「えっとさ……その子、ちょっと……ね。うん…」


何？


まーくん……ちょっと何なんだよ？


N「……まーくんをまだあきらめてないって事？」


A「あ、まぁ……うん……そうだね…」


…………。


ハッキリ言わないまーくんに、何だか無性に
イライラしてくる。


N「なんで黙ってたの？なんか言えないような
　事あったの？」


ちょっと口調がきつくなるのが自分でも
分かった。


だって、まーくん否定しないの？
そこ。

A「えっと……いや……うん……」


何か言い淀んでるみたいだし。
ハッキリしなしいし……
そんなまーくん見たくないや。



N「……もういい、先行くね。僕。」



そう言い終わらないうちに、チラッと
まーくんを見ながら僕はスタスタ歩き出した。


A「あっ！かずくん、待って！おいっ」


慌てるまーくんを無視して、一度も
振りかえらずに早足で、まーくんから離れた。






　
……まーくん、追いかけて来ないし……
バカ。


校門のところで、一度だけ振り返ったけど
まーくんの姿は後ろには見えなかった。



……朝から、もうやだ。


最悪。


暗い気持ちのまま、教室にとぼとぼと
向かった。