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僕のまーくん。

第43章 紙切れの真犯人?



N side



まーくん……それってさ。
 

あの夏休みに告白された日からずっと、
あの女子に付きまとわれてたって事?


ずっと、黙ってたの?


僕……いつもまーくんと一緒にいたけど
全然分からなかった……


綾野くんの事もあったからさ。
ストーカーしてたの、綾野くんだったって
分かってからそれは、もう解決で……
全然安心してたけど。


どうして?



ねぇ、なんかあるの?



……って思うじゃない?



まーくんは、優しい。
誰よりも昔から優しくて、特に僕に
関しては自他共に認めるほどの過保護ぶりで……

僕が嫌がる事は、絶対しないし。
ましてや、悲しむって分かる事なんか
まーくんがするわけないって頭で考えなくても
分かるくらいの事なのにさ……



なんか、昨日からのモヤモヤが引き続き
継続中の僕は。



隣のまーくんを、思いっきりジトッと
睨んでしまっていた。



だって!!


なんで、黙ってんのよ。
僕に余計な心配させたくないから?

まーくんの優しさ?


でもさ、結構あの告白からたってるよ?


それまで、どのくらいその子と接触してたの?



……僕が知らない所でさ。




それが、モヤモヤの一番の原因だ。


だから、きっと睨んじゃうんだ。
優しい、優しいまーくんの事を。


信じてないわけじゃない。


でもさ……


僕が居ないところで、何回も会ってたの?



……絶対、やだ。



あの日、僕の横を睨みながら通りすぎて行った泣いてた顔の女の子を思い出した。


……あの子は、でもまーくんがちゃんと断って
くれたから、大丈夫って……
そう、思ってた。

二学期始まっても、僕らに関する噂も何にも
なかったし。

まぁ……紙切れや保健室での事とかあったけど。


噂は、なかったし。

黙って諦めてくれた、いい子だったんだなって
勝手に思ってたよ。



……でも。



僕だけが知らなかった。


まーくんはあれからずっと、その子と
接触してたんだ……


胸に広がるモヤモヤが、どんどん黒いものに
変わっていくのが分かった。






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