
僕のまーくん。
第43章 紙切れの真犯人?
ずっと……
夏休みのあの日から。
かずくんには敢えて話さなかった事が
僕にはあった。
僕は、かずくんしか見えないしかずくん以外の
誰かとどうの……なんて、これっぽっちも
思った事なかったから。
あの日。
部活を見に来てくれてて僕に帰り際告白して
きた、この彼女。
かずくんと同じ1年の彼女に僕はあの日
ちゃんとお断りした。
かずくんの存在も聞かれたまんまにちゃんと
答えた。
「教えてくれないと諦められません」
なんて言うからさ。
僕は、かずくんが一番大事だからちゃんと
この彼女には諦めてもらわなきゃって……
「そうだよ」
って伝えた。
かずくんの存在を、教えたんだ。
それで諦める……なんてさ。
あの時はすぐに泣いちゃって帰ってったけど。
だから、待っててくれたかずくんにも、告白
された事は隠さないで、話したし。
かずくんの存在を、彼女に話したって言うのも
言った。
でも実際……
あのあとから、彼女は結構しつこくて。
色んな所で、彼女を見かけた。
そんなある日。
一度体育館の裏にわざわざ呼び出されて
不意討ちを食らって……
キスされた。
軽く唇に触れただけの……
思い出したくもない。
あれは、事故だ。
僕の意思は全く関係ない。
こんな事、
かずくんには、言いたくなかったし。
それからは、
自宅まで来た事もあった。
当然、すぐに帰ってもらったけど。
たまたま、居合わせた母さんに見られて
「彼女出来たのぉ♪♪」
なんて、嬉しそうにされた。
……彼女じゃねぇし。
僕の恋人は、可愛いかずくんだけなんだよ!
多分。
僕とかずくんの事を知ってる彼女は。
その一度しただけの「キス」をかずくんに
言おうとしてるんだって分かった……
泣きながら睨んでるし。
