
僕のまーくん。
第39章 オープンな三角関係
「えっ……」
綾野くんが今度はまーくんに負けないくらいの
声で驚いて、僕のほうをオバケでも見たような
目で見ている。
人の告白に割って入って、今更だけど
音楽室で
「相葉先輩の彼女があなたじゃなくて良かった」
って言ってた綾野くんの顔が脳裏にチラチラ浮かんできたけど……時すでに遅し。
口にした言葉は、取り消しには出来ない
現実だった。
だから、まーくんがなんか言おうとしたけど
A「かずく……」
その上から僕は
N「ごめんッ!綾野くん!僕、嘘ついたッ!
僕なんだ。僕、まーくんと付き合ってる
仲だから!幼なじみ以上の仲なんだ」
一気に綾野くんに向かって捲し立てるように
謝った。
「……やっぱり、そうですか……」
綾野くんが、見たことないような切ない
表情でハハッと笑ってた。
A「かずくん……えっと……」
一番、困惑しているのは二人に挟まれて
今、その状況を把握したばっかりの
まーくんかもしれないね。
「……本当は、相葉先輩をずっと見てて、
そのうちに二宮くんの存在を知って……
今日やっと二宮くんと話せて……オレ、
嬉しかったんです。誰も……友達いなかった
から……」
綾野くんが、うつむきながら今日の出来事を
ポツリポツリ話し出した。
自分の気持ちを、ゆっくり吐き出すように。
まーくんが僕を見て、僕も首を縦に振って
また綾野くんを二人で見た。
「告白してみようって気になれたのも、
二宮くんのおかげなんです。
あなたが……先輩とはただの幼なじみだって
言ってたから。
……でも、本当は分かってました。
……二人の間には、誰も入りこめないような……
空気が流れてること……だから……だから……」
そこまで言った綾野くんは、僕ら二人のほうを
今度はしっかりとみて、こう言った。
