
僕のまーくん。
第13章 スマホ事件
「おぉ~すげぇっ~!パノラマ~!」
櫻井先輩が、叫んでる。
潤くんも、
「うをぉ~!メチャクチャ広ぇぇ~!」
海を前にみんな、テンション上がってる!
「早くいこうぜぃっ!!」
櫻井先輩、はしゃいでるなぁ~
でも、一番びっくりしたのが大ちゃん先輩だった。
今まで、ほとんど喋ってなかったのに、急に
「うをぉぉ~~~海~~~!」
って叫びながら、ダッシュして行った。
何重人格なんですか?大ちゃん先輩……(笑)
……まーくんは。
海、大好きなはずなのに……
大ちゃん先輩達を、ちょっと笑ってみてるだけで。
いつものまーくんじゃないし。
僕のせいだよね?
素直に謝れない僕は……
タイミングを完全に逃しちゃって……
ってか、自分からまーくんに距離開けるような事わざと言ったくせに。
また、天の邪鬼な自分が発動してしまう。
「潤くん、ちょっと待って!置いてかないでよぉ」
甘えた声で、潤くんを呼んだ。
本当は、まーくんといたいのに。
意地になってる僕は……
引き返せなくなっちゃって……
心とは、全部裏腹なチグハグな行動ばかりしてしまってた。
何やってんの……僕……
「海の家で、全部レンタルしようぜぃ?」
櫻井先輩が仕切りながらみんなにどれにする~
って、聞いてきた。
……泳ぐの?
海パンを選んでいたみんなの横で僕は……
ボケッと突っ立っていた。
海は正直、ちょっと苦手。
ましてや、泳ぐのはもっと嫌い。
何より、日焼けしちゃって赤くなって痛くなるのがやだ。
砂浜の砂が入ってくるのもやだ。
………………。
みんながワイワイやってるのを黙って立って見てたら、後ろから急に腕を掴まれて、びっくりした。
「ッ!まーくん!」
「こっち来て」
まーくんが、無表情で僕の腕を掴んだまま、グイグイと引っ張って行った。
一瞬、後ろを振り返ったら、こっちに気付いて見ていた潤くんと瞬間的に目が合った。
尚も、グイグイどっかに引っ張られる僕。
なんか、みんなからちょっと離れた建物の陰に連れていかれた。
「さっきの何?」
まーくんが腕を掴んだまま唐突に聞いてきた。
「何ってなに?」
