
僕のまーくん。
第13章 スマホ事件
チラッ。
まーくんをまた、前髪の隙間からチラ見する。
!!!
まーくん、揺れてる!揺れてるッ!
足、めっちゃ貧乏揺すりしちゃってるし……
こんな、まーくん、滅多にお目にかかれない。
イライラオーラが、でまくってるよ~ぉ
潤くんも、それに気付いたのか……
「手だけじゃなくて、ホッペもメチャクチャ柔らけ~よな~にの🎵」
フニフニと、僕のホッペを摘まんでくる潤くんに
やられるがままの僕。
櫻井先輩が、同時に
「んッううんっっ!」
大きな咳払いをした。
……明らかに、僕らに向けてのだよね?
潤くんは、ニヤニヤしながら櫻井先輩を見ていた。
まーくんはというと、そんな櫻井先輩を見ながら
なんか言いたそうな顔してた。
……何だろ?
「挑発しすぎちゃったかな?」
潤くんが、僕をチラッと見て小さな声で言った。
ヤキモチ妬いてくれるくらい、僕の事好きだって分かったから、潤くんと一緒に座れて良かったかもな~
後でまーくんには謝ろう。
櫻井先輩はいまいち、どうなのか良く分からないけど。
まあ、いっか。
……にしても、大ちゃん先輩もさっきから気持ちよさそうに良く寝てるなぁ。
多分、もうちょっとで駅着くんだろうけど……
起こすの可哀想なくらい熟睡してる。
僕らの、駆け引きみたいなものを、何にも知らないでスヤスヤ寝てる大ちゃん先輩が可愛く見えた。
マイペースな大ちゃん先輩は、いつでもこんな感じなんだろうね。
だから、まーくんも仲がいいんだろうなぁ。
ガタンゴトン……ガッタン……ピー
電車が駅に到着した。
櫻井先輩が、大ちゃん先輩の肩をユサユサ揺らして起こしてあげてた。
「う~ん?着いたぁ?」
寝ぼけ眼の大ちゃん先輩はのそりと立ち上がった。
まーくんも、大ちゃん先輩が起きたのを確認して先に、僕と潤くんをチラッと見て何にも言わずに降りてった。
……まーくん、怒ってる?
やっぱやり過ぎちゃった……かな?
