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僕のまーくん。

第13章 スマホ事件



ガタンゴトンガタンゴトン……


どのくらい来たかな?……なんか揺れる電車の中で色々考えて疲れちゃった……な……。






ガタタンッゴトトンッ……

………………………………

あれ?寝てた?



……ん?




え?




あっ、潤くん……隣にいた潤くんの手、握って?




た!!!ッ?




「ごめん潤くん~~」


パッと手を離した。


しかも、潤くんの肩に寄りかかって寝てたみたい。
夢見ながらまーくんかと思ってた。
  

「全然~!ニノ、超気持ちよさそうに寝てたし!」



……………………。



まーくん?……向かい合わせの目の前に座っていたまーくんと目が合った。


なんか、あんまり見たことない顔のまーくんがこっちを見ていた。


その隣の櫻井先輩とも、目が合った。


この人も、なんかちょっと怖い顔してこっち見てる。


何?……寝てる間になんかあった?!


「潤くん、マジでごめんね。」


僕が謝ると、


「っつか、前のお二人さん、ずっとこっちガン見してましたけど……クックッ(笑)」


……えっ?


怖いんですけど……


なんで?


「……嫉妬の嵐」



はい?何それ?潤くん何言ってんの?


小さな声で、向こう側に座ってる二人には聞こえないようにボソボソ話す潤くん。


「ニノのプニプニの手、めっちゃ気持ち良かったぜ」


って言いながら、僕の手をフニフニと触る潤くん。


クククッ(笑)


笑いながら、


「あのふたり……ヤバい!ツボった!クククッ(笑)」


……潤くん、そういう事!


完全に面白い玩具を見つけた、いたずら大好きな子どもの顔だよ……


チラッと、前髪越しに前の二人を見た。


僕らを、見ないふりしながら、チラチラ見ているふたりがいた。

まーくん、ヤキモチ妬いてくれるんだ!

なんか、嬉しくなった……というか、愉しくなってきた僕。

まーくんをもっと妬かしてやりたくなって。

潤くんに、ちょっとくっついて

「潤くんの手は、男っぽくて羨ましい!」

って言いながら、潤くんの綺麗な男らしい手をぎゅうぎゅう握ってみせた。

 







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