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これを恋とは呼べない♥

第1章 ファーストキスもセカンドキスも。

こいつ、俺がファーストキスだったこと知ってて連呼してるな。


「そんなに俺のファーストキス欲しかったんだ?それは残念だったねぇ。」


精一杯の強がりである。



実のところ、男に…しかも兄ちゃんにキスされたことがショックで仕方なかった。

いつでも正しかった兄ちゃんが、お酒の力なんかに負けて酔っ払って、その勢いでキスなんかしてきて。

どこの誰かに間違われてるのかなんて知らないけど、間違われてるということにもショックを受けている。


それを知ってか知らずか、目の前の和也はニヤニヤとしている。



「俺さ、男も好きなの。知ってるっしょ?盗み聞きとは悪趣味なものだけどね、可愛い俺の弟だから特別に許してあげるよ」



そうだ。和也は女の人だけじゃなくて、男の人も家に連れ込んでいたことがある。男の人の気持ち悪い喘ぎ声がなんだか忘れられない。


だからなんだ。俺には関係ない。


「えー?分かんないって顔だね。俺さ、高校生ぐらいの時から、お前のこと狙ってんだけど。」


「は?」




全く意味が分からない。


いきなりなに言い出してんの?


今日1日で何度頭にハテナを浮かべたことか。



「俺もはるにちゅーしたいって思ってるってこと。」


「いやいやいや、無理だから。俺もってなに?兄ちゃんは酔っ払ってただけで…」

「それはどーかなぁ?純兄がなんで彼女できない…いや、作らないか知ってる?知らないよね。」


なんだか嫌な予感がする。


「はるのこと、本気で好きなんだよ、あの人。兄貴2人がホモで大変だネ。」


呑気にそんなことを言われる。


…どうも頭が追いつかない俺にニヤニヤと笑いかける和也は、急に勢いよく俺の腕を引っ張った。


なんか、デジャヴ…っ!!

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