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これを恋とは呼べない♥

第1章 ファーストキスもセカンドキスも。

「ただいまー。和也ー!いるなら手伝ってー!」

家に帰るなり玄関で寝てしまった兄ちゃんを運ぶため、もう1人の兄ちゃん、和也を呼ぶ。

靴があるから家には居るはず。


「はぁ?どーせ純兄だろ?ったく、高校生の前で潰れんなよなー」

なんてブツブツ文句を言いながらも、来てくれる和也は根は優しいんだと思う。


チャラチャラとした見た目から、怖がられることも多いが、バスケをしているおかげか、なにかとモテるらしい。


女の子とは遊び呆けていて、家にもよく香水クサイ女の人があがっている。

家に女の人がいる時は、和也の部屋の前を通ってはいけない、と言う兄ちゃんの教えを守っていた小学生時代もあったが、中学生にもなると興味が湧くもので、よく陽咲と盗み聞きをしていた。



「おい馬鹿兄貴。高校生連れて酒飲むなよ。おーい、起きろー。」

口は悪いのに声は優しい。
きっと女の子達はこのギャップにやられるんだ…。

そんなことを考えながら、気持ちよさそうに眠る兄ちゃんを見る。


「んーあー…。家か……おー、和也ぁ。俺眠いんだよ…起こすなよぉ。」

だらしなくなった兄ちゃんの頭をぺしっと和也が叩いた。



「はるが見てんだよ。早く起きろバカ」



…いつまで続ける気だこいつら。


「風呂入りたいし、兄ちゃんは和也に任せるわー。」


「おう。…ってかはるクンさぁ、俺のことも兄ちゃんって呼んでよ」

何故かニヤニヤしながらそういう和也に、「そのうちね、和也。」

と、負けじとニコッとしながら名前を呼び、風呂場へと向かった。

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