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これを恋とは呼べない♥

第3章 毎晩の危険

「いや、ごめん。忘れて」

やっぱり変だ。
いつもの和也じゃない。


「俺、ホモじゃないから」


それだけ言うと人の流れに任せて歩き出す。
「だよなー」なんて少し残念そうに言いながら俺の後をついてくる和也。



「俺、兄弟とか男とかそんなこと関係ないんだよね。はるだから、って感じ」



随分とアバウトに話す和也をチラリと見る。

思っていたより真剣に話しているらしい。じっとこちらを見据えている。



「やっぱり米食いたいわ。和食にしねぇ?」



ぱっと表情が変わりいつもの和也に戻る。

俺の少し前を歩きながらスマホを操作し、なにやらお店を調べている。



…好きってなんなんだろう。

ふと思う。


兄弟としてなら、和也のことは好きだと思う。
兄ちゃんも、陽咲も。


でも、それは決して恋愛感情なんかじゃない。
…たぶん。



いやいやいやいや、恋愛感情だったらやばいだろ!!
しっかりしろ俺!!

…って…もう俺、処女捨ててるんだった…。




「はるー、店ここでいい?…って、なんて顔してんの」


どんな顔をしていたのかは知らないが、軽く頭を撫でられる。

抵抗することはせず、目を細めると、どこか寂しそうな顔をする和也が目に入った。



なんで…そんな顔するんだよ。













その後も順調にご飯を済ませ、少し和也の買い物に付き合ったり、割と充実した時間を過ごした。


ブーブー


スマホが振動し、画面を見ると「陽咲からの新着メール」と表示されている。

少し躊躇う気持ちもあったが、メールを見ると思わず足が止まった。


『かずにぃとはもうヤッたー?(笑)帰ったら話聞かせてねっ。それと、晩御飯どうするのってじゅんにぃが聞いてるよ?』


こいつ…。



「…はるくんさぁ、実の弟といつもこんなメールしてんの?」


いつから見ていたのか、面白がるように聞いてくる。
いつもこんな会話なら本気で俺は…やばいだろ。


「み、見んなよ…。ひなが一方的に言ってるだけ。」



つまんねー、と俺のスマホから目を話せば、今度は思い出したように、俺の目を見た。


「あのさ、俺とエッチすんの、いや?」




………

…………は?

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