
これを恋とは呼べない♥
第3章 毎晩の危険
「ん……あれ…朝?…」
長い夜だったように思う。
全部夢だったんじゃないかと疑うほど、体は綺麗だし自分の部屋まで戻ってきている。
体を起こすと激しい腰の痛みに襲われた。
「夢じゃないっ…。最悪だぁ…」
俺が許可したのも悪いけど!!
でも…
気持ちよかった…気がする。気がするだけ。
今日は土曜日。みんな休みのはずだが、なぜか2階はシーンと静かだ。
隣に陽咲もいない。
いつも起こしに来る兄ちゃんだって見てない…けど、今はなんだか気まずいな。
和也がバタバタしている音もしない。
みんななにしてるんだ?
疑問を抱いたのとほぼ同時に俺の腹がなった。
そーいや空腹だ。胃の中になにも入っていない感覚が気持ち悪い。
「朝飯でも食べるか…」
そう言いながら、少しの気まずさを我慢しリビングへと足を運んだ。
リビングのドアを開けるのを躊躇う。
いや、躊躇わざるをえない。
「俺聞いたんだよねー。純兄とはるがヤってる時の声。随分激しかったみたいで」
ケラケラと笑っている和也。
「そーいや昨日の夜中、はるにぃをお姫様抱っこして部屋に運んでたよね。知ってるよー?」
と、楽しそうに言う陽咲。
なんで知ってるんだよ!!!
くっそ…終わった…。
…俺の声が大きすぎたのか…。
いやでも昨日のは兄ちゃんが…!!
「うん、そーだよ。声大きかったから起こしたんだな、ごめんな和也。」
え、いや…和也を起こしたことよりも!否定しろよ否定を!!!
なんとなくドアの前で固まっていると、誰かが近付いてくる気配がして、急いで2階へとあがった。
